炭素循環農法の実験農場
先生と奥様とブレインプロライト
私は根っからの「物理屋」なので「生命の仕組みや原理」を明らかにするための実践として農業をやっています。 「命とは何か」に興味を持ったきっかけは子供の頃の戦争体験にあります。原爆投下の15分前に広島駅に到着予定の列車に乗っていたのですが、 どういうわけか難を避けられ、九死に一生を得ました。 そうした体験もあって、幸福を求めながらも戦争をしてしまう、人間の矛盾を解くには「命とは何か」を知る必要がある。 それには物理をやるしかないと思い、この道に入ったのです。
大学では物理学の研究に没頭しましたが「命は試験管の中にはない。」という結論に至り、51才の時に周囲の反対を押し切り大学を飛び出しました。 そして、様々な探究の末にたどり着いたのが、農業でした。特に農業に思い入れがあったというわけではありませんが、「命とは何か」を考えているうちに「人間の頭を自然基準にする」ことの重要性に気づき、 そのための実験、実証を行うには農業(炭素循環農法)が一番手っ取り早いと考えたのです。 実は、「人間の頭を自然基準にする」という考え方は世の中のいろいろなことに役立ちます。 今も縁あって、ある大手スーパーチェーンの就労支援事業のお手伝いをしています。
今回、FUTEK製の脳波計「ブレインプロライト」を導入した目的は「人間が自己基準から自然基準の生活や仕事をすることによって(例えば炭素循環農法に従事することによって)、どのような心理変化が起きるのか」を、脳波を用いて検証するためです。 当機は野外でも使え、短時間で測定結果を出せるので、今回の実験に適した仕様であるといえます。また、心理変化を数値化し、ビジュアル化することは、研究目的ではもちろん、従事するみなさんのモチベーションアップにも繋がると思います。